*[書評][買い物]記法がいろいろあるようだ

占領と改革―シリーズ日本近現代史〈7〉 (岩波新書)

占領と改革―シリーズ日本近現代史〈7〉 (岩波新書)

まだ半分くらいしか読んでいないけれど、帯にある「占領がなくても戦後改革が行われた」「その原点は総力戦体制にある」という文句を丁寧に論じている。不連続に見える戦中戦後は、実は戦前体制から総力戦体制への変化と揺れ戻しを考えてみるとかなり連続であるという内容。戦後改革を受け入れた主体である官僚体制も地方行政もかなり温存されていたわけで(なのでドイツのような無条件降伏とは違う)、当時のシステムがいかに戦後体制を受け入れていったのかをみていくことは、当時の体制と戦後体制との距離やスタンスを計り直す上で重要なことだろう。戦後改革を千載一遇のチャンスと見るにしろ不合理な押しつけと見るにしろ。