進歩

日本の10大新宗教 (幻冬舎新書)

日本の10大新宗教 (幻冬舎新書)

団体依存性は無いので団体名と出版物名は伏字にする。1934年のことだそうな。

ジャーナリストの大宅壮一は、「『○○』を解剖する」という批判記事を『日本評論』という雑誌に寄稿している。大宅は、『○○』を読みさえすれば、万病が治り、すべての危険が避けられ、就職は絶対確実で、貧乏が向こうから逃げていくというほど素晴らしい誇大広告がかつて新聞紙上に現れたことがあっただろうかと皮肉っている。なにしろ、○○の出版物に載せられた御利益譚は、(中略)といった非科学的なものであったからである。

今のほうがもっとひどいけどね。財布に入れておくだけで金回りが良くなり、万病に効くという水晶やら紙やらの広告が週に何度も載る。運気だけならともかく、健康に効く系はアウトだ。新聞社は自社にとって不利な記事を黒塗りすることにはご執心だが、市民の健康はどうでも良いのだろうか。死者も出ているというのに。癒しを求める人々のパーソナルな闇につけこむ闇の産業と、間をつなぐ無垢で無知で優しい人々。巨大メディアが媒介して、この恐るべき構造は支えられている。