事典

辞典とは言葉の意味を説明するものなのだそうな。事典は、百科事典のように事柄そのものについての記述を載せるもの。それだけの分量と質が求められるといえるだろう。

さて、こちらはどうか。

前身の「現代天文学小事典」から、なんと「小」を取ってしまった。新書サイズなのに800ページ近く、値段も2400円(税別)と啓蒙書にしてはちょっと高い。前身から本書までなんと30年も経過しているというから驚きである。ぜひ10年に1回ほど改訂を加えていってほしい。

啓蒙書レベルに留まらず、数式をあまり使わない程度での高度な内容も盛り込まれている。先端的な内容にもかなりの部分を割いている。紙幅の関係で用語の説明は限定的だけれど、ある程度自然科学の素養がある人にはちょうどいいだろう。とは言え、どこまで記述すべきかという悩みが伝わってきそうな内容。

ただ、「公開天文台」の項はもう少し突っ込んで(というか論理立てて)書かれると嬉しかったかなあ・・。