書評:これは「効く!」Web文章作成&編集術逆引きハンドブック

これは「効く!」Web文章作成&編集術逆引きハンドブック

これは「効く!」Web文章作成&編集術逆引きハンドブック

ライティングに力を入れていくという今年の方向性が見えてきたので、ネタの仕込みに購入。新宿紀伊国屋で類書のコーナーを片端から眺めるも、どれもこれもぱっとせずに疲れてきた中で出会った本書は出色だった。ちょっと寄り道してぱっとしなかったものの特徴と、それらを弾いた理由を思いつくままに挙げてみると、以下のようになる。

  • 誤字脱字が多い→校正を経ていないようなものの完成度は推して知るべしだし、その程度の書き付けを読む暇はない
  • 自信たっぷりに言い切っているが根拠が書かれていない→こちらが欲しいのは根拠のあるtipsである

上記はデザイン関連でもよく見かける。これは高等教育云々の問題かというとたぶんそうでもなく、某国立大准教授のトーク(デザイン)はまさに2番めに当たっていた。

ゴミのような類書の山の中で、本書がぐっとハートを掴んだのは、文章校正例を中心に構成されていたことである。軽く問題を解いていくような流れで自然と引き込まれ、ていねいな解説が付されている。そうすると、こちらも解説に対してふむふむと納得したり文句を付けたりしながらとインタラクティブに読み進めていくことができるわけで、これは良質の受験参考書のような構成である。肝心の解説の内容も丁寧で、取り上げてあるトピックも商品見出しからプレスリリースまで幅広い。なんとなく考えていた知識を対話によって見直すことができる機会を提供してくれる良書である。