ロシアの隕石についてNASA JPLの見解抄訳その2

新たな発表があったのでまた抄訳です。
最下段に、訳した部分を引用してあります。


Credit: Google, NASA/JPL-Caltech
写真は上記JPLウェブサイトより。ちなみに図中には「隕石の破片の落下エリア:ロシア チェリャビンスク(訳者注:円の部分ですな)」 「今回のイベントは小惑星2012DA1の地球近傍通過とは関係がない」と書いてあります。


太平洋標準時間2013年2月15日午後7時

世界的な観測機器のネットワークがもたらした新たな情報により、物体の大きさについての推定値が更新された。

物体の大きさは地球に突入する前の段階で17m(以前の推定値では15m)*1、そして質量は10000t(以前の推定値では7000t)であった。放出されたエネルギーは500キロトン近くに及んだ(以前の推定値より30キロトン増加)。

上記の新たは推定値は、アラスカの5箇所のインフラサウンド*2。インフラサウンドのデータによれば、隕石の大気への新入から空中での破砕までにかかった時間は32.5秒でした。

「わたしたちは、この規模の減少は平均して100年に1回程度起こるのではないかと予想しています。この規模の火球の場合、多くの隕石の破片が地表に届くのではないかと思います。今回のケースでは、いくつかの大きな破片が到達したようです」(JPLの地球近傍天体に関する部局のPaul Chodas氏)

今回の隕石の軌道は、地球近くを通過していった別の小惑星2012 DA1のものとは大きく異なります。これは、両者はまったく関係のない事件であったことを意味しています。ロシアの隕石は、1908年にシベリアのツングースカでの隕石落下事件以来最大の規模のものでした。

                                        • -

以下引用

Update: February 15, 2013 7pm PST

New information provided by a worldwide network of sensors has allowed scientists to refine their estimates for the size of the object that entered that atmosphere and disintegrated in the skies over Chelyabinsk, Russia, at 7:20:26 p.m. PST, or 10:20:26 p.m. EST on Feb. 14 (3:20:26 UTC on Feb. 15).

The estimated size of the object, prior to entering Earth's atmosphere, has been revised upward from 49 feet (15 meters) to 55 feet (17 meters), and its estimated mass has increased from 7,000 to 10,000 tons. Also, the estimate for energy released during the event has increased by 30 kilotons to nearly 500 kilotons of energy released. These new estimates were generated using new data that had been collected by
five additional infrasound stations located around the world - the first recording of the event being in Alaska, over 6,500 kilometers away from Chelyabinsk. The infrasound data indicates that the event, from atmospheric entry to the meteor's airborne disintegration took 32.5 seconds. The calculations using the infrasound data were performed by Peter Brown at the University of Western Ontario, Canada.

"We would expect an event of this magnitude to occur once every 100 years on average," said Paul Chodas of NASA's Near-Earth Object Program Office at the Jet Propulsion Laboratory in Pasadena, Calif. "When you have a fireball of this size we would expect a large number of meteorites to reach the surface and in this case there were probably some large ones."

The trajectory of the Russia meteor was significantly different than the trajectory of the asteroid 2012 DA14, which hours later made its flyby of Earth, making it a completely unrelated object. The Russia meteor is the largest reported since 1908, when a meteor hit Tunguska, Siberia.

*1:訳者注:前回は直径を表していたので今回もそうでしょう

*2:訳者注:初めて聞いた言葉で良い日本語訳を知りませんが、Wikipedia先生によると人間の耳に聞こえる範囲よりもさらに低い音のことだそうです

ロシアの隕石についての、NASA JPL(ジェット推進研究所)の見解の日本語訳

いちおう太陽系内天体の観測的研究をしている者の端くれとして紹介しておきます。

#いま「白鶴 丸」を飲んだばかりなので正確性は保証しませんが


こちらに示されているJPLの見解とその抄訳です。まあほぼ全体の訳ですが。

現時点での情報によれば、本日地球近くを通過する小惑星2012 DA14と、チェリャビンスクでの火球には関連性はない。

チェリャビンスクの火球は、1908年のツングースカでの事象以来最大級のものである。火球は地球大気に18km/秒(訳者注:時速11万キロ)の速度で突入した。突入時に放出されたエネルギーは何百キロトンに及ぶものであった。事象の継続時間から考えると、小惑星の突入角度は非常に浅いものであった。この継続時間は、2009年にインドネシアで観測された大火球よりも長い。観測結果はこれからまだ追加されるので、火球のエネルギーについてはより詳細な値が今後明らかになるだろう。地球大気に突入する前の小惑星の直径は約15m程度、質量は7000トン程度であった。これは小惑星2012 DA14の1/4程度のサイズである。火球の軌跡の継続時間は30秒程度であったことから、大気をかすめるようなかたちでの衝突であったと考えられる。火球は太陽以上の明るさであった。

上記の記述は現時点での仮のものであり、新たなデータが集まるにつれて更新される可能性があることに注意されたい。

#以下引用
Preliminary information indicates that the fireball in Chelyabinsk, Russia, is not related to asteroid 2012 DA14, which is flying by Earth today.

The Russian fireball is the largest reported fireball since the 1908 Tunguska event. The fireball entered the atmosphere at 18 km per second. The impact time was 3:20:26 UTC, and the energy released by the impact was in the hundreds of kilotons. Based on the duration of the event, it was a very shallow entry. It was larger than the fireball over Indonesia on Oct. 8, 2009. Measurements are still coming in, and a more precise measure of the energy may be available later. The size of the object before hitting the atmosphere was about 15 meters, the pre-impacting asteroid was about 15 meters in diameter and had a mass of about 7,000 tons. It was about 1/4 the size of asteroid 2012 DA14. The fireball trail was visible for about 30 seconds, so it was a grazing impact through the atmosphere. The fireball was brighter than the sun.

It is important to note that this estimate is preliminary, and some of the estimates may be revised as more data is obtained.

520 series SSD 120GB (intel) 買ってみた その1

Intel SSD 520 Series(Cherryville) 120GB 2.5inch Reseller BOX SSDSC2CW120A3K5

Intel SSD 520 Series(Cherryville) 120GB 2.5inch Reseller BOX SSDSC2CW120A3K5

制作用マシンのwindowsが不穏なエラーで落ち、その後あえなく不認識という事態で急遽購入。SSDは1年前くらいに一気に安くなった印象だがどうなのだろう。システム+データで運用できる容量の製品が、まあまあ手が届く範囲に落ちてきたようだ。

既存のSSDは一定の確率で起動するようなので、なんとか命があるうちにデータの移行をはかる。重要なデータは全てバックアップしてあるとは言え、ライセンスがあるソフトなどは面倒だ。便利なことに、intelSSDを買うと専用の環境移行ツールをダウンロードできる。中身はAcronisのTrue Imageなのだけど、intel SSD以外では使えないようだ。それだけに移行の手続き自体はシンプル。運も手伝い、ものの数十分で移行完了。

さて無事に移行後。あくまで体感だけども、illustratorでのテキスト入力時の引っかかりがかなり低減した。こんなところで効果が出るはずはないのだが。。。

何年ぶりかでベンチマークも試してみる。Crystal Disk Markの画面も懐かしい。

過去に取りためていたHDDのベンチと比べてみると、すべてが桁で高速化している。恐ろしい。

移行元のSSDはCFDのCSSD-60NS1Qだった。Sandforce製コントローラを搭載した、プチフリ対策後の世代だ。こちらともそのうち比較してみよう。いちおうメーカーサイトはこちら。測定条件が異なるところで強引に比べてみると、Readのシーケンシャルおよび512KBランダムが同程度、これら以外はやはり新製品の方が速い。

いやあ、良い買い物をしたなあと悦に入るのもつかの間、今度は別機種に大差をつけられる。その結果はいずれ。

書評:宇宙・惑星化学(地球化学講座 2)

宇宙・惑星化学(地球化学講座 2)

宇宙・惑星化学(地球化学講座 2)

「日本語の本?学部以来読んでないですねえ(どやぁ)」とか宣う輩が跋扈する中であえて。とくに化学の知識・訓練が足りないことを痛感していて、時間を作って積極的に教科書の類を読むようにしている。
本書はまさにタイトルのとおり、地球惑星から天文まで、その化学的トピックをまとめたもの。元素合成から惑星、彗星、そして星間空間までを網羅していて、扱う対象は実に網羅的である。別分野に手を出しつつあるのでその近辺を何度も読み返したが、数十ページの中に重要な要素が詰め込まれている感。通して読んでみたい。

ソフテックブラストジャケット(MAMMUT)

秋・春山や冬の低山、街着で使えるソフトシェル探訪シリーズ。K日山荘さんでかなりリーズナブルになっていたので購入。

  • 縫い目が溶着されているので耐風性が向上しているとかなんとか。
  • 手を入れられる位置にポケットがないことに購入後に気づく。慣れの問題だったけど、人によっては困るだろう。
  • 防水性はなし。いちおう撥水機能はあり、タウンユースではありがたい。もちろん山では雨具が必須。
  • ソフトシェルとはいえ、そこそこに形状がしっかりしている。薄いダウンと合わせれば驚くほど温かい。
  • MAMMUTのウェブには載っていない。型落ち?
  • ベンチレーションがついていない。防風性はそれほどでもないから?

御在所岳山頂散策路でも使ってみた。強風の中だったけども、ダウンとの組み合わせで十分温かかった。だがベンチレーションがないことで温度調整が難しい。吹雪いてくると、なかなか前ファスナーを開ける気にはなれない。

ともあれタウンユースでは十分な性能としっかりした素材感で、しばらくハードに使えそう。

アーチャーリッジベスト(Columnbia)

(コロンビア)Columbia アーチャーリッジベスト PM1902  232 Sierra Tan M

(コロンビア)Columbia アーチャーリッジベスト PM1902 232 Sierra Tan M

夏山でも冬の街着としても使えるフリースベストを、ということで購入。ダウンは潰れてしまうと一気に保温力がなくなるように感じるけども、フリースは常に一定程度温かいような気がする。このベストもしかり。ジャケットと合わせて着ると、驚くくらい温かいこともある。ベストなので重ね着しやすいこともありがたい。襟が高いので首元がとても温かくことも◎。体積はあるので、夏山ではスペースに余裕がある時になってしまうかもしれないが、夏山の夜は今の外界くらいに冷え込むので、あれば重宝しそう。

実例で学ぶ「伝わる」デザイン

実例で学ぶ「伝わる」デザイン

実例で学ぶ「伝わる」デザイン

エディトリアルデザインの現場で、ラフ、校正、完成デザインまで至るディスカッションや思考の過程を追ってくれている。非常にありがたいのは、完成に至る道筋をボツも含めて見せてくれていることでこちらが考えさせられること。自分だったらどうするか、うんうんと考えつついつしか筆者と対話をさせられる。テキストは意味を成していないものも多いので、数を減らすなり練るなりしてくれているとよりありがたかった。それでも全体を通して5回は読んだ。久々。